2025 9月11日 根橋 裕 先輩 来塾
北区の東田端で50年以上続く、親子3代にわたって眼鏡屋さんを営む「根橋さん」から今日はお話をしていただきました。
先ずは、お仕事のお話です。眼科と眼鏡屋さんの違いからお話をしていきます。眼科では、眼の中の様子を探っていくのがお仕事ですが、眼鏡屋では視力を測定してその人にあったレンズを用意するのが私たちのお仕事です。
眼はちょっと恐ろしい特性を持つ器官です。みなさん、片目でものを見た時に見え方に差が生じた方、手を挙げてみて下さい。何名かいらっしゃいますね。見えづらい方があるばあい、それをカバーするために良い目の方に負担が寄ってしまい、いずれ良い方も視力が落ちていってしまいます。
次に手を伸ばして両手で小さな穴を作ってみて下さい。その穴でものを見た際に、穴を動かさないで済んだ方が「利き目」ということになります。利き目は、見る方向を正確に決める役割があります。
この利き目と、良く見えている方が同じ側だった場合、黄色信号になっている可能性がありますので眼科や眼鏡にかかることをお勧めいたします。
ここで、特殊なレンズをみなさんにご紹介いたします。決まった光を遮断する遮光レンズというものがあります。これを使うと、水面からの光の反射を抑えて水中の魚の姿を見ることができたり、スキー場で雪面からの光を抑えて視界を確保することができます。
また、最近ではLED光源が増えていますから光に敏感な目を持つ方は、度が入っていなくても、光を遮光する眼鏡をかけることをお勧めしています。
眼鏡エポックではこだわりとして福井県の鯖江市という場所で作られている眼鏡フレームを使用しています。ここで作られているフレームは軽くて丈夫なことで有名です。ここで製造される眼鏡は形状記憶合金によって作られており、「こんなに曲がるの?」と不安になるほど曲げても壊れずに耐えています。
この鯖江は世界3大眼鏡製造地として有名な都市ですが、これは昭和の時代にチタンによる眼鏡フレームの製造に目をつけて町おこしを始められた方が由来となります。昔の眼鏡はレンズの部分がガラスであったため重いものでした。そこで、少しでも軽くするため、フレームから軽くして作る方針をとったところ、それがヒットして現在にいたります。
眼鏡をかけることで色んなメリットがあります。近視や老眼と呼ばれる、症状は目の筋肉の衰えから来るものですが、最近ではスマホ老眼というものもあります。スマホやパソコンから出る青い光は目から入ってくると、その強い刺激により目と脳を活性化させてしまう性質があります。強制的に目を酷使させられてしまうため、筋肉の衰えが通常よりも早くきてしまい視力が下がりやすくなってしまいます。
「ブルーカット」と呼ばれるレンズの眼鏡を使うことで、青い光を遮断することができ「スマホ老眼」を防ぐことが出来ます。度が無くても良いので、ブルーカット眼鏡はご家庭でも普段使いをして欲しいなと思っています。
Q:この仕事のやりがいはなんですか?
A:視力が悪くてモノが良く見えない人が、自分たちの用意した眼鏡で「見えるようになりました」と言って笑顔になった時にやりがいを感じています。また、どんな眼鏡の修理
でも、持ち込まれた際は必ず預かって、出来るだけ対応するようにしています。困った人を助けることを信念にして、ずっと仕事をしてきました。
Q:仕事をするために何をしてきましたか?
A:「パリミキ」という有名な企業のお店で7年間修業し、眼鏡に関する国家資格1級を取得しました。
Q:この仕事をする際に気を付けていることはなんですか?
A:眼鏡屋さんの仕事は「半医半商」といいまして、半分医者・半分商売となります。見え方と言う分野は、半分やっていることが医者と同じなので大きな責任が生じます。そこだけは、本当に手を抜かないように仕事をしています。
Q:老眼が進行しているのですが、抗う術はありますか?
A:抗わない方が良いです。なぜならその分だけ目に負担を強いる事になり、かえって視力の低下を早めることになります。